NFTって何?という方へ! ゼロからわかる「NFTのはじめかた」

テレビやニュースなどでも話題沸騰の「NFTアート」。ものすごい値段がつく作品もあるらしいけど、実際どんなモノかも、どこで買えるのかもよくわからない。多くの方が、そんなふうに感じているのではないでしょうか?

「NFTに興味を持ったが、何から始めれば良いのかわからない」

今回はそんな方に向けて、国内外のNFTアート事情に詳しいbitFlyer Blockchain取締役の金光碧さんに、「NFTアートのコレクター」という立場で、NFTのあれこれを解説してもらいました。

NFTって、そもそもなに?

NFTは、Non Fungible Tokenの略で、Non(非)Fungible(代替できる)Token(証書)、代替できないことの証し、みたいな意味です。

デジタルデータはこれまでオリジナルとコピーの区別がつかなかったのですが、NFT技術によって「このデータがオリジナルだ」と証明できるようになりました。

以下の図の通り、デジタルデータを「自分が作ったオリジナル」として記録した上で取引所(マーケットプレース上)に出品できる、というようなイメージです。

NTFの概念図(この作品はTakawoさんのGenerativemasksです)

NFTを買うと、何がもらえるの?

NFTを買っても、NFTの「所有権」はもらえません。これは日本の法律では「デジタル・データが所有権の対象ではない」からです。また、著作権がもらえるわけでもありません。

NFTを買った人は、作者に許可された範囲でNFTを使えるようになります。具体的には、SNSのアイコンにしたり、APPLE WATCHの壁紙にしたりができることが多いです。

そして「NFTを買った記録」は、分散型台帳に記帳されて、誰もがそれを確認できるようになります。

NFTの取引データは、みんなで管理する分散型台帳、ブロックチェーンに記録されます。現状では「イーサリアム」というブロックチェーンが最も多く使われています。

NFTはどこで買えるの?

NFTは「マーケットプレース」と呼ばれるウェブサイトで売買することができます。2022年1月時点では、世界で売買されるNFTの99%程度がOpenseaというマーケットプレースで取引されています。

Openseaを使うためにはMetamaskなどのウォレットと呼ばれるソフトウェアをPCにインストールすることが必要です。ちょっとハードルが高いのですが、世界で話題になっていたり日本で「●●円で売れた!」とニュースになったりするのはたいていOpenseaに出品されているNFTなので、ぜひトライしていただきたいなと思っています。

Openseaの使い方

OpenseaでNFTを買うためのステップを簡単に説明します。すでに取引している方はこの章を飛ばしてください!

  • 銀行口座から日本円を暗号資産取引所口座に送る
  • 暗号資産取引所で、「イーサリアム(暗号資産)」を買う
  • 「メタマスク」を自分のPCにダウンロードする
  • 「イーサリアム」を「メタマスク」に送る
  • 「メタマスク」を「Opensea」に連携する

暗号資産「イーサリアム」を買う理由は、それが多くのNFT取引に必要だからです。

多くのNFTでは、その作品情報や取引情報が、イーサリアムの分散型台帳に記録されます。取引がイーサリアムの台帳で行われ、決済もこの台帳上の通貨「イーサリアム」になるので、イーサリアムが必要になるというわけです。(※注:Openseaはイーサリアムブロックチェーンの他に、Polygonブロックチェーンにも対応しています)

イーサリアムの買い方

イーサリアムを買うには、暗号資産取引所の口座が必要です。日本に住んでいる方に暗号資産取引所のサービスを提供できるのは、金融庁に登録されている「暗号資産交換業者」のみになります。

こちらから確認できますが、今日本には30の暗号資産交換業者があります。それぞれに特徴がありますが、イーサリアムの取り扱いがあって、販売所と取引所があるところであればどこでも使っていただけると思います。私が所属している「bitFlyer」も暗号資産交換業者のひとつです。

メタマスクのインストール、Openseaとの連携

さて、イーサリアムを買えたら、次はPCに「メタマスク」という暗号資産ウォレットをインストールします。

メタマスクのホームページはこちら↓です。
A crypto wallet & gateway to blockchain apps | MetaMaskA crypto wallet & gateway to blockchain apps

Google Chromeのブラウザを使い、上記の公式ホームページにアクセスしていただき、こちらの青いDownloadボタンを押すと・・・

MetaMask公式サイトより

こちらの表示が出てくるので「Install MetaMask for Chrome」を押します

MetaMask公式サイト

するとchromeウェブストアのページに遷移するのでここでChromeに追加を押します。

MetaMask公式サイト

こちらのポップアップが出てくるので「拡張機能を追加」を選択するとChromeブラウザにメタマスクがインストールされます。

Google Chrome ブラウザの画面

インストールが終わると、「New to a MetaMask?」という画面が出てくるので、メタマスクの設定が初めてであれば「Create a Wallet」というボタンを押して、パスワード設定に進みます。

この次に出てくる、12個の英単語からなる「シードフレーズ」を記録して終わりです。

別のPCのChromeでメタマスクを使う際にこの「シードフレーズ」があれば仮想通貨やNFTが入っているウォレットに接続できます。ということは、この「シードフレーズ」を第三者に知られると自分のウォレットに勝手にアクセスされてしまい、盗まれてしまう恐れがあります。

「シードフレーズ」は必ず電子的ではない形(ペンでメモをとるなど)で記録し、金庫or金庫的なところに鍵をかけて大切に保管してください。

記録したシードフレーズを確認する画面が次に出てくるので、ここで記録したものを入力していただき、正しく入力できるとメタマスクの初期設定は終了です。

初期設定が終わると、Chromeの右上のここ↓をクリックするとキツネのアイコンの「MetaMask」が選択できるようになっているのでここを選択してMetaMaskを起動します。(先ほど設定したパスワードの入力が求められます)

ここに表示されるのが自分の「メタマスクのアドレス」です。OpenseaでNFTを買うためには先ほど買ったイーサリアムをメタマスクに送る必要があります。「メタマスクのアドレス」は下図の赤く囲った部分です。このアドレス宛に、取引所から送金してください(コピペ操作を間違わないようにお気をつけください)。

イーサリアムの送付が完了するとMetaMaskの残高に反映されます!
この状態でOpenseaのサイトにいっていただき、右上の人マークを押すと

Opensea

こちらの画面が出てくるので、先ほどインストールしたMetaMaskを起動し、パスワードを入れて自分のウォレットにアクセスすれば、Openseaとメタマスクの連携は完了です。

これでOpenseaでNFTを売買できるようになりました。

NFTの買い方。ガス代とは?

Openseaのトップページには売買が活発なNFTシリーズのランキングがあります。
Visaが買ったことでも話題になったCryptoPunksadidasとのコラボレーションもおこなっているBored Ape Yacht Club(通称BAYC)
などは上位の常連です。

Opensea

Board Ape Yacht Clubをクリックしてみると・・・洋服違い、背景違いのサルたちが1万体出てきます(こういうシリーズ物のNFTが今はよく売れています)。

Opensea

こちらの画面の情報の見方ですが、Itemsが出品されているNFTの数、Ownersが保有者の数(BAYCは6,100人が10,000個を保有しているのですね)、Floor PriceがこのシリーズのNFTの最安値(78ETHなので2,800万円弱弱!)、Volume Tradedがこれまでの流通総額(3,285万ETHなので117億円相当)ということを示しています。

Opensea

サルの絵を持っている人が二次流通で売ってもよいと思っている一番安い価格が2,800万円、、、BAYCはとてもおためしでは買えないので他のものを探します。
例えばこちらのKawaii Skullのシリーズはどうでしょうか。

Opensea

10,000個のアイテムがあって、508人が持っていて、一番安く買えるNFTは0.008ETH(およそ2,900円)、これなら買えそうです。探してみたところ赤枠の女の子ガイコツがかわいいので購入に進んでみます。

Opensea

女の子ガイコツをクリックすると購入ページに飛ぶのでBuy nowを押してみると・・・

Opensea

Openseaがレビューしたものじゃないけど買っていいのね?という確認が入り(後述しますがOpenseaは誰でも出品できるのでOpenseaがレビューしているNFTの方が極めてレアです)、チェックボックスを押すと、

Opensea

こちらの購入画面に飛ぶのでConfirm Checkoutを押すと

Opensea

MetaMaskが起動し、お会計です。しかし!ガイコツのNFT自体は0.01ETHなのにガス代の0.057ETH(2万円程度)かかるよ、というのが出てきます。

Opensea

イーサリアムのガス代、というのはこのNFTを自分が買ったよ、ということをイーサリアムのブロックチェーン上に記録するための手数料のような概念なのですが、この台帳に記録したい人がたくさんいるタイミングではガス代が高騰してしまいます。ちょっとガス代が高いなと思ったので、様子をみてみることにしました。

そして、翌日に再度見てみると・・・「ガス代」が先ほどに比べて安くなりました。まだちょっと高いですが買ってみます。

Opensea

こちらのガイコツが買えました!かかった費用はNFT代$33、ガス代$90、合計$123(およそ15,000円程度)です。

Opensea

「ガス代」はタイミングによって大きく変わるので、ETH Gas Botというツイッターアカウント
などで適宜チェックしてなるべくガス代が安い時にNFTを買えるとよいですね!

NFTを買った人は何ができるようになるの?

ようやくNFTをゲットできましたが、これを買うと何がうれしいのでしょうか?現時点で私が考える効用は以下6点くらいです。

  1. この人がNFTを買ったと、ブロックチェーン上で誰でも確認できる
  2. スマホやスマートウォッチの壁紙にできたり、SNSのアイコンにできたりする
  3. 大きいモニターに飾るとかっこよい
  4. VRのアバターにできることも
  5. NFT購入者向けサービスが受けられたり、グッズがもらえたりすることも
  6. 「二次創作の権利」が付いていることも

1. この人がNFTを買ったと、ブロックチェーン上で誰でも確認できる

Openseaをメタマスクに連携した状態でProfileページの「Collected」のタブを見ると、自分が買ったNFTを見ることができます。

記録はイーサリアムのブロックチェーン上にあるのでMetaMaskを連携すれば、Opensea以外のマーケットプレース(Raribleなど)でも自分が買ったNFTを見ることができます。
また、他の方のOpenseaアカウントもチェックできます。わたしのアカウントはこちらです。

日本を代表するVRアーティスト、せきぐちあいみさんのこちらの作品を当時1,300万円相当で買われた有名なコレクターの方のアカウントも作品の購入履歴から見ることができます。

せきぐちあいみさんの「Alternate dimension 幻想絢爛」(動画作品)の一場面

2. スマホやスマートウォッチの壁紙にできたり、SNSのアイコンにできたりする

買ったNFTのJPEGまたはPNGデータをスマホやスマートウォッチの壁紙にできます。

左側:関口メンディーさんのAPPLE WATCH、右側:筆者のスマホ

TwitterなどSNSのアイコンにする人も多いですね。

左:サッカー選手ネイマールさんはBAYCを、右:アーティスト村上隆さんはCloneXをTwitterアイコンにしています。

Twitterがメタマスクなどのウォレットと連携して、NFTをアイコンにする(その場合はアイコンマークが丸ではなく六角形で表示される)機能が付き始めた、というニュースも最近出ていました。こんな感じ↓になるようです。

Twitterとメタマスクを連携して保有しているBAYCをプロフィールにしている様子

3. 大きいモニターに飾るとかっこよい

下記はアーティストのNY_さんが行われていたNFTになっているデジタルアートの個展ですが、NFTを大きいディスプレイに表示し、額装するととてもかっこいいです。

こちら↓は当社オフィスで行われた忘年会の様子ですが、NFTアーティストの方をお呼びしたのでのモニターにNFTを飾りました。

実際にオフィスにNFTアートを展示してみて、一つのディスプレイでNFTを何枚も表示できるし、保管の場所をとらず日焼けも湿気も気にしなくてよいので、リアルなアートを飾るよりインテリアとしてもよいのでは・・・と思いました。

今後はNFTを飾ることに特化したかっこいいディスプレイなどもできてくれるとよいなあと思っています。

4. VRのアバターにできることもある

たとえばMetaani GENというNFTを買うと、Metaani(アートに包まれた2頭身の動物キャラクターです)のアバター(VRMデータ)をダウンロードできます。私も手に入れたMetaaniアバターを、Clusterというメタバースプラットフォームで使って、そこで開催されていたイベントに遊びに行ってきました。

metaaniになってClusterのバーチャル丸の内に遊びに行った様子

Cluster上では、metaaniが集合するイベントなども開催されたりしました!

5. NFT購入者向けサービスが受けられたり、グッズがもらえたりすることも

先ほども出てきたadidasとBAYCのコラボレーションNFTですが、これはもともとBAYCのNFTを購入した人に優先的に販売されました。

BAYCを購入していない人向けの一般販売は、Openseaが落ちるほどに大人気になったので、優先販売はかなり有利だったと言えます。コラボNFTを買った人にはオリジナルのパーカー(たぶんサルとおそろいのもの)も送られる予定になっています。

NIKE×RTFKT、gucci×SUPERPLASCTIC、adidas×PRADAのNFTなども出てきており今後もハイブランド×有名NFTのコラボレーションは続くと思われ、各ブランドのファンにとっても見逃せない展開になっています。

adidasのNFTのBAYCが出てくる場面

また、銀座渡利という渋谷のお寿司屋さんでは、SUSHIトークンで決済した人に会員権NFTを配っており、これをゲットした人向けに食べ放題イベントを行う、というリリースがありました。

銀座渡利の会員権NFT

6. 二次創作の権利付のことも

先ほども出てきたmetaani GENですが、こちらは作者により、NFTの保有者に商用利用権が認められています。ホルダーの方がアパレルグッズ販売サイトを作られておりパーカーやTシャツなどを買うことができます。

Metaani Fan Fiction Goods Store

買ったNFTを売ってみよう

Openseaでは買ったNFTを売り出すこともできます。

ウォレットに連携した状態でOpenseaで自分が買った作品のページを見ると「Sell」というボタンが出てくるのでこれを押すと・・・

opensea

固定価格にするかオークションにするか、固定価格の場合いくらで売るかか、売り出す期間を設定できます。「Complete Listing」のボタンを押すと…

メタマスクが起動し、出品するためのガス代が表示されました。うーん。ガス代がちょっと高いですね・・・。もし0.1ETHで売れても0.066ETHをガス代で取られてしまうのはちょっと・・・という感じです。

もともと本当に売る気はなかったので、今回は「拒否」ボタンを押して売却をやめました。

「自分の作品」を出品してみよう

買ったNFTに値段をつけてNFTマーケットプレースで売りに出せるのとおなじように、自分自身の作品も簡単にNFTマーケットプレースで売ることができます。さきほどと同様、出品時にはガス代がかかるので留意が必要です。

Openseaの場合こちらの「Create」を押すと、

Opensea

このような画面になり、作品のデータをアップロードしてNFTとして出品することができます。

Opensea

Openseaなどのプラットフォームでは誰でも出品ができるので、わたしも試しに出品してみたことがあります。

デザイナーの仕事もしている妹にささっと作ってもらった彼女の飼ってるネコの作品です。「このNFTを持っている人には妹がやっているカフェでアイスを出すよ!」というメモを書いて出品したところ、特にTwitter等で言っていないのですが海外の友人が見つけてくれて買ってくれました。

ためしにNFTにして出品してみたネコの作品

あまりこだわらず、とにかく作品をNFTにして売ってみる、ということ自体はとても簡単です。プロのクリエイターの場合、話が大きく変わってきますが。

最後に

そんなわけでNFTは未整備の点も多く、色々な意味でまだまだ始まったばかりのワールドですが、毎日面白いイベントが起こっています。この文章を読んで興味を持った方は、この世界に遊びに来ていただけるとよいなと思っています!

Special Thanks to takawoさん、mekkezoさん、才田さん、脇Pさん、KawaiiSkullさん、bitFlyerのみなさま

(NFTmu! コントリビューター・寄稿者プロフィール)
金光碧 / Kanemitsu Midori / @KanemitsuMidori
bitFlyer Blockchain 取締役。bitFlyerではHead of Treasury。
最近はLightningNetworkとDeFiが好き。猫とレモンとBitcoinのNFTのコレクター。

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